こころのロックを外してみる

昨日のクラスでの生徒さんからのフィードバックや今までのクラスに来てくれていた生徒さんからのフィードバックを思い出していた月曜日の朝。

よくクラスで伝えていることだけど、クラスに来て練習する以外にも少しでも自分で覚えて自主的に自宅で練習することをお勧めしていたり、朝のマイソールクラスに来て練習することをお勧めしているけれど、たいてい、最初の反応は「仕事が忙しいし　朝の時間は５分でも１０分でも多く寝ていたいから　そんなの無理」というものがほとんどだ。

もちろん、私自身も昔はそうだった。　朝はゆっくり寝ていたい。仕事前に家で練習したり、ましてやマイソールクラスに行ってから出勤するなんて　ありえないことだと思っていた。だからアシュタンガ・ヨーガの練習を始めた頃は夜のクラスに通っていた。　それで十分だと思っていた。

だけど本来の伝統的な練習スタイルは朝練習するものである、と聞いたり、「１週間に１日でもいいから頑張って起きる日を作ってみたら？　お家で太陽礼拝１５分だけ、ていうのでもいいんだよ」と当時習っていた先生に言われ、　「朝１５分なら　なんとか時間作れるかな」と自宅で太陽礼拝を練習しだした。　そして朝のマイソールクラスに参加するのも、１週間に１日か２日、頑張ってみよう、と思って通いだした。

いざ、やってみると「ありえない、無理」と思っていたことは案外無理ではないことに気づいた。

１５分早く起きるなら前日１５分早く寝る、１時間早く起きるなら　夜テレビを見るのを早めに切り上げて早く寝る、、、そんな生活が少しづつ積み重なり、気がつけば　毎朝４時すぎに起きて練習に行き、１時間半ほどの練習をしてから仕事に行き、夜は１０時には就寝、、、なんてどっぷり練習生活にはまっていった。

何もはじめからこんなストイックな生活をしようと思っていたわけではない。　いざ朝練習を始めるとしだいに朝一番に練習して体を動かすことが爽快になり、練習が楽しいがために前日から早く寝ようと努力したり、朝お腹が軽いように消化が良いものを選んで夜は食べるようになったり、、と少しづつ生活が変化してきたのだ。

練習が終わって急いで会社に行くもんだから朝ご飯もパン１つ、とかのパターンなもんだから当然体は引き締まり余分な贅肉は削げ落ちていった。

もちろん、夜早く寝るのもかなわないほど、仕事や家庭の事で忙しい、という人もいるだろう。

でも、１週間に１日か２日だけ、「無理」と思っている心のロックを外せないだろうか？

自分自身で「絶対無理！！」って心を縛ってはいないだろうか？

私達は生きている年数が長くなればなるほど、今まで生きてきたうえで得た固定観念や自分の心のこだわりが強くなっているパターンが多い。　自分の生き方を今まで生きてきたパターンから変えることはなかなか勇気がいることだし、努力も必要とする。だから人は変わることに抵抗を感じる。

でも　その思考パターンは時に自分自身を縛り、心の自由を奪っている場合もある。

私も自分自身で心を縛り、心の自由を奪っていたうちの一人だ。

でも　最初は朝、マイソールクラスに行く、行って練習する、ことから生活パターンが変わり、「無理って思っていることは案外無理ではないかもしれない」という概念が生まれ、、一人でインドに練習に行く、ということは思いもしなかったことだったけど、行動に移し、アシュタンガ・ヨーガの総本山で練習をし、　「人にヨガを私が伝えるなんておこがましい。絶対無理」と思っていたのがヨガを人にシェアすることを仕事に選び、「事務職の仕事を手放すなんて絶対にありえない」、と強く強く思い込んでいた仕事を手放し、現在にいたる。

昔からの私の思考パターンであれば、絶対に選択しなかったであろうことを今は選んでいる。　練習を積み重ねるうちに自分の生きたい方向性が少しづつ見えてきてその方向に行く選択を自分で決めてきた。「こうでなければならない。　こんなことはありえない。無理だ」とか自分で強く思い込む思考パターンは次第に変化してきた。

インドのヨガ哲学の教えの中に「本来の自分は自由で幸せな存在である」というものがある。だから幸せになろうと求めるし、不自由な自分、自分自身の固定概念で自分の心の自由を奪うととても心がしんどくなるのではないだろうか。　人は幸せで自由であることが自然の姿だから幸せになろうとする。幸せを求める。

ヨガを始めて１０年以上が経過した今、やっとヨガ哲学の教えがすとんと腑に落ちてきた。　人は幸せになりたいからヨガをする。　そして練習が深まるにつれて自分で自分を縛っていた固定概念から解放され自由な心になっていく。　まだ今でも私の心は弱ったり、不安な時は完全に自由ではない時もあるけれど、　これからも練習を続けていって心の自由を養っていきたいな。